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法話
2021/06/20
6月の法話(雨に因んで)

 梅雨に入り、雨の日が多くなりました。皆様は雨についてどう思われますか?例えば「生憎の雨で」という言葉もよく耳にします。一方で、インドなどの乾燥している地域では、乾季から雨季に変わる季節は「恵みの雨」になります。有名な合唱曲に『雨』という歌があります。

「降りしきれ 雨よ 降りしきれ すべて 立ちすくむものの上に また 横たわるものの上に
降りしきれ 雨よ 降りしきれ すべて 許し合うものの上に また 許し合えぬものの上に
降りしきれ 雨よ わけへだてなく 涸(か)れた井戸 踏まれた芝生 こと切れた梢 なお ふみ耐える根に
降りしきれ 雨よ そして 立ち返らせよ 井戸を井戸に 庭を庭に 木立を木立に 土を土に
おお すべてを そのものに そのもののてに」
 
考えてみますと、雨というのはわけへだてなく、降り注ぎ、大地を潤してくれています。『仏説無量寿経』の中に「法雨」という言葉があります。「仏様となられた菩薩方は雨が降り澍(そそ)いで草木を潤すように、教えを説き、常に尊い声で世の人々の迷いの夢を覚ますのである。」と書かれています。先にお浄土に還られた方が南無阿弥陀仏と雨のように注ぎ届いて下さっているのですね。
今は混沌した時代になりました。何が正しくて間違っているかは誰も判断できない中で結論を出さなくてはなりません。そしてそのどちらの立場も尊重されるべきです。平等に降り注ぐ雨のように。称名。【副住職】