掲示板記事詳細

法話
2021/10/20
10月の法話(御堂さん10月号)

 今月の御堂さんに「土偶の正体は○○だった」という記事が掲載されています。学校では「土偶は女性をかたどったものである」と教わった方が殆どだと思いますが、その記事によりますと、「土偶は縄文人が日常的に食べていた自然の恵みをかたどったものである」というのです。例えば、それはサトイモであったり、トチノミであったり、ハマグリであったり。確かに土偶の形を見ると、様々な形をしています。恥ずかしながら、私は人間とは思えないその姿から、縄文時代には多くの宇宙人が地球に集まっていたのかなと思っておりました(笑)
 縄文時代のような太古の昔のことは、謎だらけです。無論、教科書に書かれていることが正しいとは限りません。ただこの記事を読んで私は「縄文時代の人々は自然の恵みに対して畏敬の念を抱き、感謝していたのだな」と感じました。そう考えますと、サトイモを土から掘り出して、そのサトイモをかたどった土偶を作って、崇拝したとしても、全く違和感はありません。自然は思うがままにならないものです。また一方で、その自然の恵みによって、私たちは生かされています。ただその自然に畏敬の念を抱き、感謝する心を土偶を通して縄文人から教えて頂いたように思います。
 最近、「SDGS」という言葉をよく聞くようになりました。「SDGS」とは、私たちの世界を変えていくための持続可能な開発目標ということのようです。具体的な目標を掲げて、取り組むことは大いに結構なのですが、何か人間の傲慢さのようなものを私は感じています。人間は地球に育まれ、生かされていることに目覚め、ただ自然に感謝することに返っていくことが重要ではないでしょうか。報恩感謝の心、お互いに忘れないようにしたいものですね。称名。【副住職】