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法話
2022/02/01
2月の法話

寒風に耐え

陽光に照らされ

蕾ほころぶ

(真宗協和会掲示伝道より)
 2月に入りました。今年の2月1日は、春節(旧暦の元旦)にあたり、中国などでは盛大にお祝いされます。春節を迎えたとは言え、依然として寒さはまだ厳しいものです。そんな中、お日様の光に照らされて、蕾がほころんでいる様子を見ると、春の訪れを感じます。
 イソップ物語に『北風と太陽』というお話があります。皆様ご存知かもしれませんが、このようなあらすじです。

 ある時、北風と太陽が力比べをすることになりました。そこで、通りすがりの旅人のコートを先に脱がせた方を勝ちとしようと決めます。最初に北風がふーっと旅人に向かって力いっぱい吹きました。ところが旅人は、寒さのあまり、逆にコートの襟を立てて体を丸めてしまいます。北風は何度も繰り返しますが、結局旅人のコートを脱がせることは出来ません。続いて太陽の出番です。太陽はひたすら旅人に向かって暖かい光を照らし続けます。すると旅人は次第に暑くなってきて、ついにコートを脱いでしまいます。こうして、太陽が力比べに勝ちました。

 冬の間、寒風に耐えて花の蕾は固くなっていますが、春が近づき暖かくなると、陽光によって蕾を膨らませ、やがて花を咲かせます。まるで『北風と太陽』の旅人のようです。花を咲かせるためには、寒風も陽光も欠かせないものですが、陽光は、寒風が吹いている時でも、変わることなく照らし続けています。これは変わることがないのです。『北風と太陽』のお話のように、太陽の出番があるのではなく、常に照らしているのです。同じように阿弥陀様は私たちを常に照らして下さり、「寒風のような苦しいことがあろうとも、いつも一緒ですよ。あなたはあなたの花を精一杯咲かせておくれ」と願い続けておられます。これは、本当の意味で「大丈夫」ということですね。称名。【副住職】