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法話
2020/08/01
8月の法話

 8月の言葉は、

       まっしろに
       雲ひとつ
       かがやいている
       あおい空
       今いっしょに
       見ている
       今いっしょに
       生きている

真宗佛光寺派の御本山の今月の標語より頂きました。
「まっしろに雲ひとつかがやいているあおい空」夏がやってまいりました。ところで「雲」、「空」と聞くと私は金子みすゞさんの詩を思い出します。


   空のあちらに何がある
   入道雲もしらないし
   お日さまさへ、知らぬこと
   空のあちらにあるものは
   山と、海とが話したり
   人がからすに代(な)りかはる
   不思議な魔法の世界です。


 私たちは毎日、当たり前のように空を眺めて過ごしていますが、金子みすゞさんの表現は非常に豊かです。
 現代を生きる私たちは仕事や勉強など様々な普段の生活に忙しく、空のあちらに何があるかなど気に留めたり考えたりすることは少ないのではないでしょうか。
 まっしろな雲もあおい空も多くのご縁が重ならなければ、見ることはできません。そして山や海、からすも人も森羅万象全てのものが一瞬たりとも止まることはありません。そう考えますと、今見ている「雲」や「空」は尊く感じられるのではないでしょうか。その一瞬の「今」に私たちは一緒に生きています。当たり前と思っていた世界が不思議な魔法の世界のように感じられる気が致します。
 昨今は新型コロナウイルスの影響で、今まで当たり前であったことが、本当は有難いことであったと気付かされることが多くあります。今、ここをいっしょに生きる私たちの不思議に目覚めていかねばならないということを今月の言葉から金子みすゞさんの詩を通して、改めて気付かせて頂きました。 【副住職】