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法話
2022/09/10
絵本法話~ぼくはいまここにいる~

≪絵本の内容≫
 無憂樹のバアムは急な斜面に一人で生まれました。育つにはとても厳しい環境で、周りの皆が心配しました。
 根をしっかり張ることのあまりの辛さにへこたれるバアム。大地や周りの木々はバアムが立派に育つことを願いつづけます。霧は優しく包み込み、鳥は歌いかけ、寄り添います。
 ついにバアムは立派な樹となり、皆に感謝したのです。
 厳しい環境におかれ、「なぜ自分だけ辛いんだろう、こんなに辛いなら枯れてしまいたい」と思ったバアム。でも実は沢山の人達に応援され、寄り添われていました。
 長い人生、辛いこともあるけど、自分が気づかないだけで多くの方々から願われて生かされているわたしです。何百年何千年何万年と続いて来たいのちが「わたし」なのです。誰しもひとりぼっちではありません。
 バアムのように、誰かに支えられていることに気づき、今度は誰かを支えられるように力強くあゆみたいものですね。
 願われて生かされている「わたし」。お彼岸も近づいて来ました。お仏壇、お寺、お墓にお参りして今ある「わたし」の感謝を伝えてみませんか。
 
 『ぼくはいまここにいる』
 作/佐賀枝夏文
 絵/成広のり子
 編集発行/東本願寺出版

 生きることに漠然とした疑問を持ち始める10代の子どもたち、そして行きづらさを抱えている大人たちに伝えたいメッセージが込められた絵本です。どうぞお手に取って読んでみて下さい【若坊守】