法話
2022/10/20
10月の法話(御堂さん10月号)
今月の御堂さんに解剖学者の養老孟司さんが、「ジタバタしない生き方 人生は不要不急でいいんです」という題の記事を書いておられました。
その中で、愛猫「まる」との思い出を語っておられます。養老さんにとって「まる」は生きることに関する物差しでした。実に気楽そうに生きていて、夏でも家の一番涼しい所で寝ていたそうです。そんな「まる」の姿から、人間であることのバカらしさを知らされたとのことです。
円満寺にも、愛猫「テン」がいます。「テン」もまた、実に自由に生きています。最近は寒くなってきたので、日の当たる暖かい場所で日向ぼっこしたり、時には屋根の上に上り、下界を見下ろしています。動物たちを見てみると、みんな「今」を生きています。
一方、私たち人間はどうでしょうか?いつまでも過去の出来事に縛られ、まだ起こってもいない未来のことを心配ばかりしているような気がします。人がしているからとか、人にどう思われたいとか、周りに基準を置くのではなく、「自分はどうしたいのか」という視点で考えることで、楽に生きていくことが出来ると思います。
未だに外でも多くの人々がマスクをしています。それが安心ならば、それでも良いと思いますが、秋の爽やかな風を感じることもできないのは何かもったいない気がします。私たちも猫のようにもっと自由に生きても良いのではないでしょうか?称名。【副住職】