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法話
2023/01/01
1月の掲示板

欲ふかき 人のこころと

降る雪は 積もるにつけて

道も忘るる
 昨年の年末には寒波の影響で、各地で大雪となりました。雪は、音もなくしんしんと降り積もります。人の欲深さもまるで雪のように気付かぬうちに積もっていきます。

 欲の中でも特に気を付けたいのがお金と肩書きでしょう。年末にジャンボ宝くじを買った人もおられることと思います。肩書きも会社などで昇進することで、お給料が上がり、優越感もあるのかもしれません。しかし、これらは全て実体のないものです。お金は単なる紙切れと金属の塊であり、肩書きは立場を表す言葉に過ぎません。そうは言ってもお金は必要な時もあります。その場合は、ただ漠然とお金を欲するのではなく、何のために必要なのかを明確にする必要があると思います。
 親鸞聖人も、このように述懐されています。
「悲しいことに、愚禿(ぐとく)親鸞は、愛欲の広い海に沈み、名利(みょうり)(名誉欲と財産欲)の深い山に迷って、正しく仏になることに定まっているなかまに入っていることを喜ばず、真実のさとりに近づくことを楽しいとも思わない。恥ずかしく、嘆かわしいことである。」(親鸞聖人『顕浄土真実教行証文類』信巻)

 現代に生きる私たちは、さらに名利の深い山に迷っていると言えるでしょう。しかしながら、私たちが道を忘れても、決して忘れることのない南無阿弥陀仏のお念仏が今、ここに至り届いて下さっています。お念仏の道は、私たちが往生させて頂くその日まで、確かに続いているのです。称名。【副住職】