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法話
2023/01/01
新年を迎えて

 新年おめでとうございます。このようにお祝いの言葉をお伝えしても、歳を一つとるのに何がめでたいかと叱られるかもしれません。しかし、一年をなんとか無事に過ごせたのなら有り難いことではないでしょうか。

「したことは水に流し、してもらったことは石に刻め」という言葉があります。私たちは自分がしてやったことはいつまでも覚えてます。御礼の言葉が返ってこなければ、なんと恩知らずな人やというように憤慨します。一方、してもらったことはすぐに忘れます。そのときは覚えていてもいつまでも有り難いという気持ちを保つことは出来ません。
「したことは石に刻み、してもらったことは水に流す」のが私たちなのです。
 この一年私を支えるはたらきに支えられて無事に過ごすことが出来たのではないでしょうか。
一つ一つは眼に見えないけど間違いなく私を支えてくれたはたらきがある。改めて御礼を申す事の出来ないはたらき(力)に支えられたのです。
一つ歳を重ねることは、様々な目に見えぬはたらき(力)があったからなのです。
 新しい年を迎え、この目に見えぬ私を支えるすべてのはたらき(力)に御礼申し上げる一年に出来ればと思います。忘却の彼方に追いやるのでなく、しっかりと心に刻み込むような一年としたいものです。
 南無阿弥陀仏のお念仏は阿弥陀様への御恩報謝でありますが、私を支えるすべてのはたらきに感謝申す言葉でもあります。
 
 今年こそお念仏に始まりお念仏に終わる一年を送りたいものです。