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法話
2023/02/20
2月の法話(新型コロナウイルスに感染しました)

 先月の中旬、新型コロナウイルスに感染しました。熱は38度台が一日続きましたが、日ごとに下がって、四日目には36度台に落ち着きました。先月の後半のお参り(ご法事の方もおられました)を全てお休みさせて頂き、ご迷惑をおかけしまして、本当に申し訳ないことです。
 また家族をはじめ、様々な方からご心配を頂きました。改めて、御礼を申し上げたいと思います。
 当初は自分が感染したことで、ご門徒方や家族に迷惑をかけてしまったと自分を責めておりましたが、それを繰り返していても先には進まないと思い、治すことに専念することにしました。
 実は熱が出ている時、私は心の中で感謝しておりました。
 「今、体がウイルスを無毒化しようとしてくれている。ありがとうございます。」
 そして、お念仏させて頂いたことでありました。
 阿弥陀様のご信心を頂いたものは、十種の利益(りやく)を得ると言われています。その中に「冥衆護持(みょうしゅごじ)の益(やく)」と呼ばれるものがあります。冥衆とは私たちには見えない存在のことです。私たちは見えない存在に護られているということです。
 考えてみますと、私たちの体には何百兆という腸内細菌が存在すると言われています。それらの腸内細菌は目には見えないけれども、私たちの体を守ってくれているのです。そして、仮に体にウイルスが入ってきても、体は熱を出すことで治そうとしてくれています。これらは、私たちのはからいではありません。これがおまかせさせて頂くということだと思います。おまかせさせて頂くことにより、感謝の心が生じてまいります。
 私たちはウイルスなどの見えない存在を恐れていますが、むしろ見えない存在に感謝する心が大切であると改めて感じたご縁でありました。称名。【副住職】