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法話
2023/04/10
絵本法話~なきごえが じまんの きつね~

≪あらすじ≫

 あるところに鳴き声が自慢のキツネがいました。山寺の鐘の音を褒める村人の声が聞こえてくると何だか面白くないキツネです。鳴き声を鍛えて鐘に変身。村人が鐘を撞いてみると…あれれ??山寺の鐘とは全然違う音に村人は撞かなくなりました。山寺の鐘には勝てないと落ち込むキツネ。そうすると村人が最近キツネの綺麗な鳴き声が聞こえないと心配し始めました。それを聞いたキツネは一生懸命鳴きました。
 鳴き声が自慢のキツネにも勝てない山寺の鐘の音がありました。でも山寺の鐘の音色も綺麗だけど、キツネの元気な鳴き声が聞こえないと心配になる村人でした。聞こえてくると元気でいることに安心できます。

 『仏説阿弥陀経』というお経の中に、「青色青光黄色黄光赤色赤光白色白光」と出てきます。お浄土の蓮の花は青色は青い光を放ち、黄色は黄い光を放ち、赤も白もそれぞれに綺麗に咲いていて、皆それぞれにそのままで輝いていて素晴らしいのだと教えて下さっています。
 キツネはキツネの元気で綺麗な鳴き声があり、山寺の鐘は山寺の鐘で綺麗な音を奏でています。真似することもなければ競う必要もないのです。そのままでそれぞれに素晴らしいですね。
 人に限らずともそれぞれの素晴らしいところを認め合いたいですね。この絵本を読み終えたら、お子さんの素敵なところ褒めてギュッとしてあげて下さいね。読み終えるとほっこり笑顔になれる作品です。

『なきごえが じまんの きつね』
  作・絵/近藤えり
  発行者/公益財団法人 仏教伝道協会

第7回こころの絵本大賞受賞作品です。
是非どうぞ!!        【若坊守】