5/15NHK放送の「ニュースウォッチナイン」という番組で、誤解を生むような映像が流されました。内容は新型コロナワクチンの接種の影響で亡くなったと思っておられるご遺族の方の言葉を部分的に抜粋して、まるでコロナ感染によって亡くなったかのように編集されたものでした。翌日、ＮＨＫは、ツイッターと同番組で謝罪のコメントを述べましたが、番組内では一番最後だったようです。ツイッターではこのことが話題になり、皆さん怒りのコメントをされていました。

　過去に私は、ＮＨＫの番組を元に２回ほど法話をさせて頂いたことがありますが、やはり人間が作り出すもの、どうしても偏り、公平な情報ではありません。
　テレビはあくまで映像の世界です。同じ映像でもを編集すれば、異なったものが出来てしまいます。テレビは虚構の世界であり、私たちの感覚を通して得た情報が現実であると知る必要があると思います。

　今年の5/21は親鸞聖人ご生誕850年を迎えます。最後に親鸞聖人のお言葉を頂きたいと思います。
「煩悩具足の凡夫、火宅(かたく)無常の世界は、よろづのこと、みなもってそらごとたはごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておはします。」
　私たちの生きている世界は、無常であり、全てが偽りで真実がない、つまり幻であるということです。その中でただ一つお念仏だけが真実であるとお示しであります。この世の中、耳を疑うようなことばかりですが、真実のお念仏が私たちの心に満ちて下さっているのです。ですから、テレビから流れる情報に振り回されるのでは無く、私たちの煩悩をみそなわし、一つになって下さる阿弥陀様に聞いてみることが大切だと改めて感じています。称名。【副住職】