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法話
2023/06/10
絵本法話~ねえとうさん~

≪内容≫
お父さんのことが好きなくまの子。久しぶりに帰って来たお父さんとくまの子は散歩に出掛けました。川のはしが流されていても、お父さんは平気です。大きい木をバキッと折って、川にはしを渡します。「すごい!とうさん」堂々としてくまらしいお父さんと小さなくまの子のはなしです。
 久しぶりに帰って来たお父さんに全力で甘えるくまの子。それに応えるお父さん。多くを語らずに態度で示していきます。くまらしく、自分らしく。その姿を見てちょっぴりお父さんに近づこうとするくまの子はとっても可愛らしいです。

 くまのお父さんはなかなか一緒にいられないかもしれないけど、くまの子にしっかりと寄り添っています。例え時間は短くとも、くまの子を想う気持ちは伝わるんですね。きっとお母さんもお父さんを尊敬しているから、それもくまの子は感じているのでしょう。
 生まれてきたからにはそれぞれに役割があります。なかなか何が正解なのかわからないけど、きっと身近な人から学んで行くことが多いのでしょうね。誰にでも自分を大切に慈しんでくれる存在があります。忘れずに過ごしたいものですね。
 父の日にピッタリの絵本じゃないでしょうか。子どもさんが読むのはもちろん、お父さんが読むとまた色々な思いがわいてくるかもしれません。
「ぼくとうさんの子でうれしいよ!」のセリフ。言われたことありますか?ご自身のお父さんに言ったことがありますか?素敵な言葉ですね。
大人の私も亡き父を、拙寺の院主(義父)を思い、色んな思い出も浮かんで来ます。

 『ねえとうさん』
   作/佐野洋子
 発行所/株式会社 小学館

第7回日本絵本賞受賞
第51回小学館児童出版文化賞受賞

『100万回生きたねこ』で知られる佐野さんの絵本です。是非読んでみて下さいね。   【若坊守】