先祖を大切にという人は多いが

先祖から受けついだ命を

私は今、大切にしているだろうか

（真宗仏光寺派掲示板）

　毎年、お盆を迎えると、ご先祖に感謝し、お墓参りなどをされる方も多いことと思います。ご先祖がおられなければ、今の私は存在し得なかったのですから、「先祖を大切に」という気持ちは実に尊いことです。
　しかし、ご先祖から受けついだ「今、ここの命を大切にしているか」と問われると、自信をもって答えられない方もおられるのではないでしょうか。

　御釈迦様はこのように言われています。
「最上の真理を見ないで百年生きるよりも、最上の真理を見て一日生きることのほうがすぐれている」（『ブッダの真理のことば・感興のことば』岩波文庫26頁）

　私たちにとって、最上の真理は南無阿弥陀仏です。ですから、「見る」というよりも「聞く」と捉えた方が良いでしょう。
すなわち、「南無阿弥陀仏を聞かないで百年生きるよりも、南無阿弥陀仏を聞いて一日生きることのほうがすぐれている」と頂くことが出来ると思います。
　南無阿弥陀仏が満ち満ちた今日一日を過ごせることに感謝します。そしてそれは、ご先祖の方々が南無阿弥陀仏を受け継いで下さったおかげでありました。今、ここの命を大切にするとは、こうした生き方ではないでしょうか。称名。【副住職】