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法話
2023/10/01
10月の掲示板

他人を 思い通りには したいが

自分を 思い通りには させない私

(佛光寺派本山掲示伝道より)
 私たちは何故、他人を思い通りにしたいと思うのでしょうか。それは自分自身の都合を良くするために、他人を利用したいという考えが根底にあるからだと思います。つまり、他人をコントロールしたいと思っているということですね。
 そのため、時には他人を欺き、軽んじることさえあります。お釈迦様はこのように言われています。

何人(なんぴと)も他人を欺いてはならない。たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。(中村元訳『ブッダのことば』岩波文庫37頁)
 他人を欺き、軽んじてはならないのは、他人も私も同じ存在だからです。ですから、如何なる他人に対しても、尊敬と感謝の気持ちを持つことが大切です。その気持ちを持つことが出来れば、他人の意志を尊重出来るので、思い通りにしようという気持ちもなくなります。
 一方で自分を思い通りにさせないとは、一体どういうことでしょうか。それは只今の自分に満足出来ていないということだと思います。自分が満足した状態でいるには、どうしたら良いのか考える必要があります。それには、まず自分に素直になることです。お釈迦様は繰り返し、自己こそが自分の主であると仰っています。他人の意志を尊重した上で、自分の意志をはっきり伝えることが出来れば、自ずとお互いが思い合える(思い通りになる)関係が生まれることでしょう。称名。【副住職】