掲示板記事詳細

法話
2023/10/20
10月の法話(兵戈無用(ひょうがむよう))

 近くのお寺の掲示板に、「兵戈無用(ひょうがむよう)」と書かれていました。「兵戈」とは、武器のことです。つまり、武器は用いないということです。
 連日の新聞の一面での戦争報道に心を痛めておられる方も多いと思います。パレスチナのガザであった病院の爆発でも、お互いに相手が悪いと非難するばかりです。このようなことが繰り返されているのです。武器を用いるから、戦争になります。そして、犠牲になるのは一般の人々ばかりです。
 「兵戈無用」とは、『無量寿経』の中のお言葉であります。実は、このお言葉の前に主語として、「仏の歩み行かれるところには」とあります。もう御釈迦様はおられませんので、今は不可能と思われるかもしれません。しかしながら、私たちは仏法を聞くことが出来ます。仏法を聞いている私たちは、「武器を用いません。」と宣言すれば良いのです。
 私は以前、中央仏教学院という学校に通っていましたが、この「兵戈無用」の言葉を胸にバッジとして付けている学生さんもおられました。当時はイラク戦争の真っ只中でありました。
 
 今は、一人一人がはっきりと意思表示をすることが求められていると思います。国が防衛費を増額しようが、そんなことは関係ないのです。私たちは争うことなく、楽しく暮らしたいと思っているのですから。今一度、御釈迦様のお言葉を頂きたいと思います。

「怨みをいだいている人々のあいだにあって怨むこと無く、われらは大いに楽しく生きよう。怨みをもっている人々のあいだにあって怨むこと無く、われらは暮らしていこう。」

称名。【副住職】