法話
2023/11/10
絵本法話〜おおきなおおきな木〜
〈あらすじ〉
おおきな木の穴に代るがわる動物や人がやってきます。やって来たみんなは大きな木で休むと元気になって帰って行きます。大きな体でみんなを包み込んで癒やしてくれる大きな木。こんな大きな木にも小さい時があった。色んなことを経験して大きくなった木が大切なことを教えてくれるお話。
大きくてどっしりとしていて包み込んでくれる木に癒やされて、また新たなスタートを切ろうとするものたち。
早く大きくなりたいと思うけど、大きな木にも小さい頃があって、色々な経験を経て皆を癒せるような木になったのですね。
「生ある者は必ず死に帰す」
生きていることは苦しみの連続です。年は取りたくない、死にたくない等、変えられないことを変えようとするところに苦しみは生じます。
老いた者にはその歩んできた経験で若者を導く役割があります。死んだら、そのいのちは次のいのちの糧となり、全ては繋がっています。みんなみんな大切な役割を持っているのです。
おおきな木のように、大きくなるには土の下にしっかり根を張らなければなりません。
今、目の前のことに一生懸命に取り組んで積み重ねた先に「大きな木」があるのです。
目に見えないもの、「ねっこ」が大事なんですね。
大きな木、それは多くの年月、様々なものを見守って来たことが読み取れるから感動するのかもしれません。
一人ひとり、色々な経験を経て様々な物語の主人公になります。変えることが出来ないものは逆らわず受け入れてどっしりと構えられる人になりたいものですね。
『おおきなおおきな木』
作/よこたきよし
絵/いもとようこ
発行所/株式会社金の星社
目に見えない努力や経験、感謝の気持ちが本当に大切なことだと教えてくれる絵本です。
子どもはもちろん大人にも呼んで欲しい1冊です。【若坊守】