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法話
2024/02/10
絵本法話〜はるさんと1000本のさくら〜

《あらすじ》

 はるさんの住む村は沢山の人で賑わっていたけれど、年々過疎化が進み数える人しかいなくなりました。嘆いてばかりもいられない、と仲良しの皆で桜の苗を育てて少しずつ植えることにしました。
植えていく内に1人亡くなり2人亡くなり。ついに最後に残ったはるさんまでも。年月が経ち、桜が見事に咲き誇るようになり、開発が進むとまた沢山の人が桜の名所となった村があった所に住むようになりました。
 人がいなくなった村。はるさんたちは先ずは人を呼ぼうと考えましたが難しいことに気づき、もっともっと先のことを考えて行動しました。また活気があった賑やかな場所にするにはどうしたら良いか。皆の好きなことを思い浮かべて。
 自分が元気な間は無理かもしれないけれど、子どもや孫やもっと先でもこの桜を見に多くの人に訪れて欲しいと夢を描いて行動しました。
 やがて時を経て、はるさんの夢は受け継がれて行きました。多くの人が自然豊かなこの地に戻ったのです。

 今のことも大事ですが、先々のことを考えて今行動することも大事ですね。いのち終えても、血の繋がりは無くともいのちのリレーは続いています。
 今の私に、まだ見ぬ未来の子ども達のために何が出来るでしょうか?私が大切にしているもの、想いがまた誰かに大切にしてもらえたら嬉しいですね。
『はるさんと1000本のさくら』
作/ただのぶこ
発行所/中央公論新社

 今、大切にしているもの、事柄、場所は誰かが私に伝えてくれた想いかもしれません。
そんなことを思いながら読んでみて欲しい絵本です。【若坊守】