《あらすじ》

　フウちゃんはお母さんのことが大好きで、幼稚園でお母さんを描きました。上手に描けたのでお母さんに見せたくて早く会いたいですが、お仕事でなかなか会えません。朝になり、ご飯を食べる時に描いた絵を汚してしまいました。フウちゃんはお母さんへの想いが溢れて泣いてしまいます。

　お母さんはお仕事で会えない時もずっとフウちゃんのことを想っていて大好きだと伝えます。大好きを伝えたい時はぎゅーっと抱きしめる。「ぎゅー」は大好きの合図になりました。

　誰しも幼少期でも大人になってからでも、大好きなお母さんやお父さん、家族、友人、恋人に大好きと伝えたかったり、大好きと言ってもらいたいことはあるのではないでしょうか？

　なかなか伝わらなかったり、伝わって来なかったり、もどかしく思うものですね。
　短い時間でも、一生懸命に向き合うと伝わるものです。会えなくても、会えた時に「ぎゅー」と抱きしめて伝える大好き。フウちゃん親子はもう大丈夫ですね。

　親はどんな時でも子を想います。それをさらにもっと大きな優しさで包み込んで、嬉しい時も悲しい時もいつでも見守り、自分のこととして寄り添って下さるのが、親様とも言われるほとけさまです。一人ぼっちだと思うことがあっても、誰が忘れてもほとけさまはいつでも一緒にいて下さるのです。
　そのことに気づき忘れずにいると、お母さんにぎゅーっとしてもらったフウちゃんのように安心して過ごせるのではないでしょうか。

　『たからもののあなた』
　　　作・絵／まつおりかこ
　　発行所／株式会社岩崎書店

　肌や言葉で触れ合うスキンシップの力は絶大ですね。親子で一緒に読んで「ぎゅー」してみませんか？
　１人ひとりが「たからもののあなた」です。どうぞお手に取って御覧下さい。【若坊守】