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法話
2024/05/10
絵本法話〜もったいないばあさんのおばあちゃん〜

《あらすじ》   
 もったいないばあさんは、田んぼでお米作りをしていたおばあちゃんから感謝をすること、生きものたちへの思いやり、命のつながり、敬うことなど、大事なことは何かを学んできました。
「だいじなことは みんな おばあちゃんから おそわった。つたえないのは もったいない」
 田んぼでお米を育てるおばあちゃんは、太陽にも田植えを手伝ってくれる人にも、水にも雨にも草にも風にも、出来たお米にも、藁にも感謝します。
 「もったいない、もったいない、有り難い、有り難い」それは全部おばあちゃんのおばあちゃんが教えてくれたことでした。

 数年前まで何でも使い捨てが便利、良いとされていましたが、地球や未来のことを考え、SDGsが大分浸透して来ました。「もったいない」という言葉が注目を浴びたのはノーベル平和賞(2004年)を受賞したケニア副環境相(当時)のワンダリ・マータイさんが、「もったいない」に共鳴してキャンペーンの名誉会長に就任し、国連や全米記者クラブの講演などで世界に発信してからではないでしょうか。

「もったいない」は浄土真宗の第8世蓮如上人が、廊下に落ちている紙切れを拾い上げ、「一枚の紙もこれみな仏法領のもの(仏より恵まれたもの)、もったいない」と押し頂かれた話は有名で、浄土真宗の御教えを「もったいない、有り難い」と、わかりやすく伝えられ、浄土真宗の御門徒に広く浸透して行きました。

 様々な「おかげさま」により生かされている私なのに、それをついつい忘れて、モノとしか見ることが出来ず、“いのち”を粗末に扱ってしまっている私。この私が、申し訳ないことをしました、とお詫びする言葉が、「もったいない」のひと言なのです。
 素晴らしい教えですね。後世へ伝えて行きたいものです。
 私が幼い時、母がご飯を食べた後のお釜に付いたお米を水で落とし、集めて「お米一粒もったいないからね、釜落とし。美味しいよ」と言って食べさせてくれましたが、今は孫にそれをしてあげている母。ここにも「もったいない」が受け継がれています。

 
『もったいないばあさんのおばあちゃん』
作・絵/真珠まりこ
発行所/株式会社講談社

素敵な、心温まる絵本です。是非読んでみて下さい。【若坊守】