法話
2024/07/10
絵本法話〜どんなかんじかなあ〜
《あらすじ》
ともだちのまりちゃんは目が見えない。
見えないってどんな感じかな?試しに目をつむってみると…。
まりちゃんはいいなぁ、こんなにたくさんのすてきな音が聞こえるなんて。
耳が聞こえない友達。聞こえないってどんなかな?耳栓をしてみる。
両親がいない友達。両親がいなくなったら…を想像してみる。
最後には主人公のひろくんが!? ちょっとしたしかけの様なお話。
世の中には色々な人がいます。目が見えない人、耳が聞こえない人、両親がいない人、体が動かない人。相手になることは出来ないけれど、相手の立場になって考えることは出来ますね。自分の考えが他の人も同じだとは限らないので、思いやりと想像力はとても大切です。
また、主人公のひろくんのように他人に言われてみて「動けないって色々なことが考えられてすごい事かも」と、初めて気づくこともあります。
障がいがあるなし関係なく、誰もが代わりの無い尊い存在です。そして、皆それぞれ自分ではどうすることも出来ない荷物を背負って生きているものです。誰しも迷惑をかけてしか生きられません。障がいがあるから助けようではなく、多様性をお互いに認めながら共に助け合うことが大切ですね。そうなると自ずと「おかげさま」と感謝して頭を下げ合いながら生きることができるのはないでしょうか。
『どんなかんじかなあ』
文/中山千夏
絵/和田誠
発行所/自由国民社
とある県知事さんが、
「本来は特別学級なんて必要ない。クラスに色んな子どもがいて当たり前で、どうすれば皆で楽しく学べるか、遊べるか、学校生活が上手く成り立つのか、皆で考え助け合えることが普通に出来る学校、社会でありたい」
とおっしゃられていました。
まさに!
思いやり、想像力を豊かに。気づかされる絵本です。子どもはもちろん、大人にも読んでいただきたい1冊です。【若坊守】