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法話
2024/09/20
9月の法話(「御堂さん9月号」)

 今月の御堂さんに、「先祖のリクエスト」というタイトルで記事が掲載されています。ここでの「先祖のリクエスト」とは、身近な亡き人の願いです。
 皆さんもお彼岸を迎えるにあたり、亡き人のことを思い、手を合わされることと思います。生前の亡き人の言葉が今、生きる拠りどころになっている場合もあるでしょう。
 私たちにとって真実の生きる拠りどころはお念仏です。そのお念仏は多くの先祖の方々の願いが私のところに届いた証でもあります。先祖の方々の願いとは、「どうか阿弥陀様の願いに出遇ってくれよ」ということです。
 阿弥陀様からみた願いとは、「苦悩の中に生きる私たちを捨てることなく、ありのまま摂(おさ)めとろう」というものです。そして阿弥陀様の願いは十劫(じっこう)というはるか昔にすでに成就され、本願力となって今、ここ、私に届き、満ち満ちています。
 親鸞聖人のご和讃にもお示しのように、本願力に遇ったならば、むなしく過ごす人はありません。私たちは無数の先祖の方々のお導きがあって初めて、今、ここ、私の本願力に目覚めさせて頂きました。そしてその本願力は、全ての生きとし生けるものにも満ち満ちています。
「「私はあなた、あなたは私」共に阿弥陀様に願われた尊い存在でありました。私もいづれまた、彼岸に還ってゆきます。それまで生かされ、精一杯生きてゆきます。」称名。【副住職】