終活することと

あなたの成仏とは

無関係です

　12月になり、今年もあっという間だなと感じています。年の瀬になると、自分の人生をどう終えていくかを考える方も多いのではないでしょうか。「終活」という言葉を聞くようになって、もう十年以上にはなると思います。「終活」とは、人生の終わりを想定して準備しましょうという活動のことです。
　「終活」するということは、「死」を意識していることにもなります。それは誰もが歳を重ねるにしたがって、感じることでしょう。「歳をとることのおもしろさは「死」というものを身近に感じることができる点にもある」と作家の五木寛之さんがある本の中で述べておられました。

　今の時代、仏事などが次の世代に伝わっていないことを思いますと、「終活」することも必要なことかもしれません。しかし、そのことと「成仏」は無関係とはどういうことでしょうか。「成仏」イコール「死」と考えている人もいるようですが、そうではありません。「成仏」とは私が仏となることが、お念仏の上に定まっていることです。それは、すでに真実に出遇っている状態です。ですから、お念仏を聞いていくことが大事になります。
　「死」を意識することは、今、ここ、私の気付きではあります。その気付きから、お念仏に出遇うことで、「成仏」させて頂く只今が如何に尊いことかと聞くことが出来れば、「無関係」では無くなるのです。称名。【副住職】