おもいやり算

＋　たすける
－　ひきうける
×　気にかける
÷　いたわる

　明けまして「南無阿弥陀仏」。新年を迎えるにあたり、謹んでお念仏申し上げます。
　今月の言葉は、阿弥陀様のおはたらきそのものと頂くことが出来るのではないでしょうか。阿弥陀様は完全無欠です。ですから、思いのままに、私たちをたすけ、ひきうけ、気にかけ、いたわることが出来ます。私たちにとって、思いのままたすけることは大変難しいので、ただ「南無阿弥陀仏」と念仏申すことだけが本当に末通った大いなる慈悲の心なのですと、『歎異抄』の中で親鸞聖人が仰せであります。

　それでは、私たちにとって「おもいやり算」は不可能なのでしょうか。そうではないと私は思います。しかし、そのためにはまず、自分の心を満たしてあげる必要があります。自分がご機嫌の状態ですと、身近な人々にも思いやる心の余裕が生まれるからです。そう申しましても、私たちが生きている世界は、物質次元です。身体の悩み、仕事の悩み、家庭の悩み、悩みが尽きることがありません。悩みを抱えながらも、「おもいやり算」が可能であるならば、それは優しい言葉をかけることでしょう。「何かお手伝いしましょうか。」「お辛かったことでしょう。」「如何お過ごしですか。」「お疲れ様です。」その言葉で、心が温かくなります。まだ寒い日々が続きますが、心温まる言葉をお互いに交わしていけると良いですね。称名。【副住職】