法話
2025/03/20
3月の法話(『ご先祖さまからきみへ』)
今月は私もある絵本を紹介したいと思います。こんなあらすじです。
主人公のかんたろうは、ある日、おばあちゃんがお仏壇の前で手を合わせている姿を見かけます。するとご先祖様のおじいちゃんが現れて、男の子にご先祖様に手を合わせる大切さについて話します。その話を聞いたかんたろうは、初めてご先祖さまの名前を呼んで手を合わせました。
「命をつないでくれてありがとうございます。ご縁をつないでくれてありがとうございます。」
そして、おじいちゃんはかんたろうにおばあちゃんが毎日手を合わせている理由を話します。
「おばあちゃんの幸せがぜーんぶかんたろうのほうへ届きますように」
かんたろうは、初めておばあちゃんが毎日、自分の幸せを願ってくれていたことに気付きます。
やがておばあちゃんもお空にいったのですが、おばあちゃんへの想いと共ににご先祖の名前を呼んで手を合わせます。最後に全てのご先祖が言いました。
ご先祖さまから君へ
「君が生きていることがわしらはうれしい。生きていてくれてありがとう。名前をはじめて、よんでくれてうれしい。ずっと名前なんて、よんでもらえなかったからな。気持ちを向けてくれたことがホントにうれしいんだよ。
これだけは覚えていてほしい。君は愛されているから、生きているよ。そして、それをホントに見て、確かめて!感動するために生きている。今はまだ分からなくても覚えていてほしい。君は、愛されてるから生きている。君は、愛されてるから生きているんだよ。
ひとりじゃない。見てるからね。ずーーーっと。」
この絵本は一般の人々に向けて書かれたので、かんたろうはご先祖の名前を呼んでいますが、私たちにとってそれは、「南無阿弥陀仏」です。そして「南無阿弥陀仏」は名前をよぶ前から私たちに届いて、「あなたと一緒ですよ。見てるからね。ずーーーっと。」とはたらき続けてくださいます。ご先祖さまがご縁をつないでくださったお陰で、今、私たちは「南無阿弥陀仏」とお念仏申すことが出来るのですね。お彼岸に読みたい一冊です。称名。【副住職】
『ご先祖さまからきみへ』 / 斎藤信実 / 東京ニュース通信社