法話
2020/11/10
最近思うこと
ご門徒で、数年前にご病気で亡くなられた奥様は、若坊守と同じ島根出身ということで共通点も多く、以前から親しくお話しさせて頂いておりました。
境内の納骨堂に入られてからは、ご主人も奥様の大好きだった美しいお花を持って、よくお参りに来られます。
そしてもうお一人、お友達が、毎年祥月命日に神戸からお参りに来て下さいます。
お話を伺うと、お二人とも美容師さんで、若い頃からずっと一緒に頑張ってこられたそうです。お互いに深い絆と信頼関係で結ばれており、「私の身体の元気な間は、お参りに寄せてもらいます。」と、いつも明るい笑顔で、帰っていかれます。
このように亡くなられた方をご縁として、また寺に足を運んで下さる方と出会える、この繋がりが何より有り難いことなのです。
この世のご縁がつきても、また仏様の世界であるお浄土で会わせて頂くというみ教えは、先に往かれた奥様もこれから往く我々も、帰る場所は皆同じところ《倶会一処(くえいっしょ)》なのです。
この何にも変えがたい安心感は、残された人生を悔いなく精一杯生き抜く力になると、しみじみ味わえることでした。【坊守】