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法話
2025/06/20
6月の法話(梅雨に入りましたが…)

 梅雨に入りましたが、毎日真夏のような日差しと暑さが続いております。お参りに伺いましても、まず「お暑いことですが、如何お過ごしでしょうか。」と挨拶代わりになっています。
 「気象庁が「梅雨入り」を発表する以前のほうがむしろ、ぐずついていた印象がある」と6/19の讀賣新聞の編集手帳に書かれていましたが、本当にその通りだと思います。
 その編集手帳には、梅雨に因んだ俳句が紹介されていました。「一日につづく一日梅雨流し」(高野素十)、「重き雨どうどう降れり夏柳」(星野立子)。どちらも、本来の梅雨の景色が思い浮かびます。
 そこで、空梅雨と暑さに因んだ俳句は無いものかと思い、ChatGPT*に質問してみました。すると、今の気持ちにぴったりの俳句を教えてくれました。
 「空梅雨の日毎に暑くなりにけり」(夏目漱石)、「空梅雨に身の置きどころなき暑さ」(阿波野青畝傍 あわのせいほ)しかも、それぞれの俳句の解説もしてくれます。本当にAI技術の進歩には驚くばかりです。
 私たちは、暑ければ暑いで文句を言い、雨が降っても、「生憎の雨」と言うこともあります。確かにお天気の話題は、挨拶代わりとして、相手を気遣うことも出来るでしょう。しかし、空梅雨も梅雨の長雨も大きな地球の循環の中で起きていることです。自分の都合でお天気を見るのではなく、かつての俳人のように、言葉で風情を楽しむのも良いのではないでしょうか。称名。【副住職】

*ChatGPT: オープンAI(アメリカのサンフランシスコに拠点を構え、AI(人工知能)の研究と開発を行う研究機関)が開発したAIによるチャットボット(人間と会話するようにコンピューターが自動で対話するプログラム)。様々な質問に対して、まるで人間のように答える。