法話
2020/12/10
絵本法話~葉っぱのフレディ~
≪絵本の内容≫
フレディは春に大きな木の太い枝に葉っぱとして生まれました。
春には沢山の陽を浴びて大きく成長し、夏には仲間と共に人間のために体を大きく拡げて木陰を作って涼ませてあげました。秋になるとそれぞれの色に紅葉し、冬が来ていよいよお別れの時です。仲間が一人ひとり散って行き、「自分は死んでもいのちはずっと続いていく」のだと先往く葉っぱが教えてくれました。よくわからないフレディは怖くなりました。最後の1枚になり、散りゆく時に初めて木の全体の姿を見ました。この大きく丈夫な木は自分がいなくなっても、これからも「いのち」が続いていくのだと感じました。フレディは安心して眠りにつきました。
そして、また春がやって来るのです。
『葉っぱのフレディ~いのちの旅~』はフレディが自身の生涯を通して「いのち」について教えてくれる本です。
昨今、「死」をなるべく見ないように遠ざけているような気がします。しかし、「死」は避けて通ることは出来ず、時期は違えど、間違いなく全員に訪れます。それは愛する人にも、ペットや自分にも。
それなのに、子どもに対して「死」を説明したり一緒に考えられる大人がどれだけいるでしょうか。今は家族が家で亡くなることも少なく、「死」を身近に感じることの出来ない時代です。お葬式や法事等の仏事のご縁に子どもと共に遇うということも少なく感じます。仏縁に遇い、生かされて生きる「いのち」「死」と向き合いたいものです。
この本の主人公、フレディは私自身なのです。
『葉っぱのフレディ~いのちの旅~』に出会ったのは20年近く前だったと記憶しています。法座に来られた御講師が紹介して下さいました。
皆さんも
「自分がどこから来てどこへ行くのか」
など、1度は心に想ったことがないですか?
改めて考える大切な1冊になると思います。是非手に取ってご覧下さい。[若坊守]