法話
2025/09/10
絵本法話〜少年とクスノキ〜
《あらすじ》
不幸なことが続き、大切な人たちを失ってしまった少年は、将来が不安で泣いていました。その様子が心配なった旅人は、未来を見せてくれるというクスノキの女神に会いに行くように勧めました。様々な困難を乗り越え、出会えたクスノキの女神は、少年の願いを聞き未来の姿を見せてくれます。そこで見た未来の姿とは……。
少年は不安から先のことばかりを気にしてしまいます。しかし、十年先二十年先を見ても同じように迷い先のことばかり気にしているのです。この世の中はまさに迷いの世界です。亡くなった方は迷っておらず、阿弥陀様と共に導いて下さいます。迷っているのはこの私なのです。
では、私はどのように過ごせば良いのでしょう。絵本に出て来る女神様も言われていますが、今を一生懸命に生きて生かされることが大切なのです。今あるもの、当たり前のように思い感じているものは実は当たり前でなく、尊いものです。現実を受け止め、感謝しながら「おかげさま」と1日1日を大切に過ごさせていただきましょう。
『仏説阿弥陀経』には阿弥陀様の教えが説かれていますが、「今現在説法」と出て来ます。これは、お釈迦さまがおられた2500年前のことではなく今いる私に説かれた教えです。もうすぐお彼岸、お墓参りも大切ですが、お寺で仏様のお話を聞いてみませんか?
『少年とクスノキ』
文/東野圭吾
絵/よしだるみ
発行所/株式会社実業之日本社
ベストセラー小説「クスノキ」シリーズから絵本が誕生しました。主人公は少年でもあり、あなたや私かもしれません。私は上記のように味わいました。色んな感じ方があるかと思います。それがまた面白いところです。
是非お手に取ってご覧ください。【若坊守】