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法話
2025/11/10
絵本法話〜なんにもできなかったとり〜

《あらすじ》
主人公のとりは、とりなら出来ることが何一つ出来ませんでした。殻を割ることも、飛ぶことも。
でも自分にも出来ることがあるはずと色々と工夫挑戦するのです。とりが出来たこととは…?
 出来ないことも工夫して一生懸命頑張ってみるけど出来ないとり。最後には何も出来ないけど、花を咲かせる場所にはなれると飛ばされないように踏ん張って、温かさを保って、花で綺麗な場所を作り上げました。

 本当にとりは何も出来ない子だったのでしょうか?

 道徳では人に迷惑をかけないようにと教えますが、宗教では迷惑をかけてしか生きられない自分を知らされます。だからこそお互い様なのです。人に迷惑かけられても、自分もそうだな〜とかえりみて助け合い、慈しむのです。人は生かされて生きています。

 とりの花のためにと頑張った行為はまた自分のためでもありました。自分のために頑張る人もいれば、人のためだからこそ頑張れる人もいたり、それぞれが尊いのです。

 日々悩みも苦しみも変化しますが、お釈迦さまは「一切皆苦」と説かれました。生きることは苦しいことなのです。苦しいことがあるから楽しみも生まれます。出来ないことを嘆くより、生かされていることに感謝し、些細なことであっても今出来る目の前のことを精一杯していきたいですね。
作/刀根里衣
発行所/NHK出版

なんにもできないことの豊かさ。これもとても大切です。皆さんはどう感じるでしょうか?本堂にも置いてあります。是非読んでみてくださいね【若坊守】