法話
2025/12/01
12月の掲示板
本当に 大事なものは
みな″ただ″だった
太陽も空気も そして親の愛も
私はそれに 気づかなかった
本当に大事なものはみな”ただ”ということは、「全て与えられたもの」と考えることが出来ます。太陽も空気もそして親の愛も全てです。それらは目には見えません。目には見えないので、私はそれに気づかなかったのです。
私たちは、目に見えるものだけが存在していると思い込んでいます。しかし目に見えているものは、ほんの一部であって、殆どが目には見えないエネルギーとして、常に循環しています。
金子みすゞさんの「星とたんぽぽ」の詩の一節はあまりに有名でよく知られていますが、詩の後半を引用されることは少ないように思います。
ちってすがれた たんぽぽの かわらのすきに だぁまって 春のくるまでかくれてる
つよいその根はめにみえぬ 見えぬけれどもあるんだよ 見えぬものでもあるんだよ
根っこというものも目には見えません。しかし、根っこは果てしない長さでその命を支えています。やがてたんぽぽは、その根っこから土の養分を吸収し、太陽のエネルギーを得て光合成をし、空気中の二酸化炭素を酸素に変えて循環します。そう考えますと、エネルギーそのものが「愛」と受け止められます。気付かなかった私を気付かせて頂いたお念仏のはたらきにただ感謝申し上げるばかりです。称名。【副住職】