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法話
2026/03/20
3月の法話(「春に」)

この気もちはなんだろう

目に見えないエネルギーの流れが

大地からあしのうらを伝わって

ぼくの腹へ胸へそしてのどへ

声にならないさけびとなってこみあげる

この気もちはなんだろう
 これは、谷川俊太郎さんの詩「春に」の冒頭部分です。この次に「枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく」という春らしい詩が続きます。春という季節は、誕生のエネルギーが漲る季節です。もうすぐ桜も開花することでしょう。これもまた無常(変化)ですね。エネルギーは目には見えませんが、本当は全てがエネルギーで出来ているのです。例えば、水という物質は、温められると水蒸気になり、冷やすと氷になります。これは、温度の変化が刺激となって、エネルギーが形を変えています。物質での例えは分かり易いと思いますが、私たちの心がエネルギーそのものなのです。
 御釈迦様はこのように仰せです。

「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される」

 詩の中にある「この気もちはなんだろう」というのは心の感覚です。ですから、「声にならないさけびとなってこみあげる」のでしょう。現代の私たちは心の感覚よりも、外の情報にばかり気を取られているのではないでしょうか。しかし、真実は外にあるのではなく、心にあるのです。世間のニュースは騒がしいかもしれませんが、この誕生のエネルギーが漲る「春に」、大地からの目に見えないエネルギーを全身で感じてみてはいかがでしょうか。称名。【副住職】