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法話
2021/01/10
絵本法話~こえかつぎニダイ~

≪本の内容≫
 ニダイという男は、町の家々から便を集めて運ぶ仕事をしていました。体にも臭い香りが染みついているので町の皆からも避けられ、自分でも汚い人間なのだと思っていました。ある時、お釈迦さまに出会いました。汚い自分が近づいてはいけないとお釈迦さまを避けるニダイ。そんなニダイの手を取り、お釈迦さまは、「ニダイの心は誰よりも綺麗だ。皆が嫌がる仕事を引き受けて黙々と働いている。こんな尊いことはない。」と。それからニダイはお釈迦さまから仏さまのお話を聞かせていただいたのです。
 ツボに人が出した便を集める。仕事といえど大変です。皆から敬遠され自らも卑下してしまうニダイ。そんな様子を見てお釈迦さまは町の人を責めるでも、ニダイを責めるでもなく優しく諭しました。会社や学校などの人間関係、いじめなどにも通じる話ではないでしょうか。
 自分の態度は回りまわって自分に返ってきます。見た目や噂話で決めつけることなく、それぞれに良いところを認め合える関係を築きたいものです。
 仏典童話集『羽の水』の中から「こえかつぎニダイ」のご紹介でした。私がこの話に出遇ったのは、「子どもたちよ」という当時はビデオでした。今はDVDになっています。声優さんは錚々たるメンバーです。わかりやすいアニメなので、こちらもお薦めです。
 どちらも本願寺出版社より出ています。是非1度御覧下さい。   若坊守