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法話
2021/02/01
2月の法話

義理チョコ 友チョコ

たくさんのチョコレート

いくつあげた? いくつもらった?

数で確かめてる つながり

(真宗仏光寺派本山掲示伝道より)
 バレンタインデー。日本では毎年2月14日、女性が男性にチョコレートをプレゼントする習慣になっています。実はこの習慣、「欧米では2月14日に愛する人に贈り物をする」という習慣をアメリカ人の友人から聞いたある洋菓子店の創業者が日本でも広めたいと考えたことがきっかけとのことです。これは素敵な習慣だと思うのですが、私たちは義理チョコや友チョコなど、チョコレートを区別して、数を競い合っています。

 私たちは数字にこだわることが多いようです。例えば、大学の偏差値があります。多くの人は少しでも偏差値の高い大学を目指して、受験します。大学は偏差値では測れないと言っても、世間では良い大学の判断基準になってしまっています。少し前に流行った歌の歌詞に「どうしてこうも比べたがる」とありますが、実際のところ、私たちは比較することで人間関係を確かめている、そんな悲しい現実があるのではないでしょうか?そうした現実の中で、自分を見失わないようにするには、周りの数限りないご縁に感謝することであると思います。
南無阿弥陀仏をとなふれば
十方無量の諸仏は
百重千重囲繞*(いにょう)して
よろこびまもりたまふなり
*囲繞:とりかこむこと。 
(親鸞聖人『浄土和讃』現世利益讃)

「十方無量の諸仏」とは周りの数限りないご縁、はたらきと頂くことができると教えて頂いたことがあります。南無阿弥陀仏と称えれば、目には見えないけれども、数限りない仏様方が百重にも千重にもとりかこみ、よろこび、まもって下さいます。小さな数にとらわれ、比較していることがどれほど愚かなことでしょうか。今、数限りないご縁の中を生かされていることに目覚め、阿弥陀様の限りないご恩に感謝申し上げる日ぐらしを共々にさせて頂きましょう。称名。【副住職】