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法話
2021/02/10
絵本法話~鬼滅の刃~

 今回は絵本ではなく、漫画の紹介です。『鬼滅の刃』は昨今のブームから皆さんはよくご存知で紹介は必要ないかもしれませんね。

 内容は、主人公の炭次郎が仲間と協力しながら妹を助けるために鬼を倒していくお話です。
舞台は大正時代ですが、簡単に言ってみると現代版桃太郎のようなお話でしょうか。
 絵本や昔話等では古来より鬼が登場します。疫病等、正体が掴めない得体の知れないものを鬼としていますが、時代により鬼も変化して来ました。

 江戸時代は鬼が悪さをし、鬼を退治する者が宝を奪います。
 明治時代以降は攻め込まれると鬼は観念して宝を差し出します。
 現代になると心優しい鬼が登場します。


 『鬼滅の刃』では鬼は凶悪に描かれていますが、その鬼の正体とは、元々人間でした。背景にはそれぞれに悲しい過去(物語)があり、それがきっかけで鬼になったのです。

救いは炭次郎の存在です。炭次郎は鬼と戦いつつも、その鬼の悲しみに寄り添う優しい心を持っているのです。その心に沢山の鬼が救われました。
 このように「鬼」とは人間そのものです。人間の弱い心を形に表現したのが「鬼」の姿なのです。

 節分では、「鬼は外、福は内」と鬼を追い出そうとします。
しかし、私の内なる「鬼」はちょっとのことですぐ顔を出して来ます。全く出ていく気配はありません。
「鬼」とされる弱い心も自分なんだと認めると、作中の敵であるはずの「鬼」も愛おしく思えて来ませんか?
そう思いながら読むと、また違う味わい方も出来るかもしれません。

 大好きな『鬼滅の刃』、好きすぎて折り紙で作っちゃいましたo(^o^)o 【若坊守】