原文
宗旨送り手形之事
一拙寺壇中山城屋屋寿娘阿以と申当午廿六才ニ
相成候もの此度大坂在藤の野田丹波屋藤八
方江嫁付候間向後貴寺宗門ニ御加入可被下候
為後日宗旨送り手形仍而如件
知恩院末醒井五条下ル町
安政五年 安養院
午 三月
圓満寺
御役僧御中
書き下し文
宗旨送り手形の事
一拙寺壇中山城屋やす娘あいと申当午二十六才に
相成候もの 此度大坂在藤の野田丹波屋藤八
方へ嫁付候間 向後貴寺宗門に御加入下さるべき候
後日の為宗旨送り手形よって件の如し
知恩院末醒井五条下ル町
安政五年 安養院
午 三月
圓満寺
御役僧御中
解説
京都醒井五条下ル町の浄土宗安養院の檀家山城屋やすの娘あい(26才)が
拙寺檀家丹波屋藤八へ嫁入りする時に持参した書状である。
「大坂在藤の野田」と記されており、野田村と藤との関連がよくわかる史料である。
安養院は同地に存在せず、左京区吉田に同名の寺院がある。移転しているのかも
しれない。