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古文書
2021/07/05
藤野田村記載宗門人別送り状(その⑪)

原文

       宗旨送り手形之事
一拙寺壇中山城屋屋寿娘阿以と申当午廿六才ニ
  相成候もの此度大坂在藤の野田丹波屋藤八
  方江嫁付候間向後貴寺宗門ニ御加入可被下候
  為後日宗旨送り手形仍而如件
    知恩院末醒井五条下ル町
     安政五年         安養院
     午  三月
         圓満寺
           御役僧御中           

書き下し文

       宗旨送り手形の事
一拙寺壇中山城屋やす娘あいと申当午二十六才に
  相成候もの 此度大坂在藤の野田丹波屋藤八
  方へ嫁付候間 向後貴寺宗門に御加入下さるべき候
  後日の為宗旨送り手形よって件の如し
    知恩院末醒井五条下ル町
     安政五年         安養院
     午  三月
         圓満寺
           御役僧御中           

解説

京都醒井五条下ル町の浄土宗安養院の檀家山城屋やすの娘あい(26才)が
拙寺檀家丹波屋藤八へ嫁入りする時に持参した書状である。
「大坂在藤の野田」と記されており、野田村と藤との関連がよくわかる史料である。
安養院は同地に存在せず、左京区吉田に同名の寺院がある。移転しているのかも
しれない。