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古文書
2021/10/05
藤野田村記載宗門人別送り状(その⑭)

原文

        宗旨送一札
一藤野田村堤町播磨屋伊助忰伊太郎
  右ハ浄土真宗貴寺門徒ニ紛無之候 然ルニ
  今般右伊太郎義 貴寺旦中同村文七方江
  養子ニ遣度候旨願出 任其意當寺令
  除帳候 向後貴寺宗判可被成遣候 為
  後日送一札仍而如件
               石津町 光明寺
  嘉永三戌年三月
     圓満寺

書き下し文

        宗旨送り一札
一藤野田村堤町播磨屋伊助忰伊太郎
  右は浄土真宗貴寺門徒に紛れ無く之候 然るに
  今般右伊太郎義 貴寺旦中同村文七方へ
  養子に遣わし度く候旨願い出 其の意に任せ当寺
  除帳せしめ候 向後貴寺宗判成し遣わさるべく候 
  後日の為に送り一札よって件の如し
                 石津町 光明寺
  嘉永三戌年三月
     圓満寺

解説

藤野田村内の人の移動に際して出された送り状です。
石津町光明寺の檀家野田村堤町の播磨屋伊助の息子
伊太郎が同じ野田村の拙寺(圓満寺)檀家の文七方へ養子に行く
際に出された書状です。
江戸時代は家の存続を非常に重要視していました。
そのため養子や養女によって家を存続させようとしたのです。
子沢山ゆえにそのようなことが可能になったのでしょう。
少子化社会の現代では難しいかもしれません。