原文
宗旨送一札
一藤野田村堤町播磨屋伊助忰伊太郎
右ハ浄土真宗貴寺門徒ニ紛無之候 然ルニ
今般右伊太郎義 貴寺旦中同村文七方江
養子ニ遣度候旨願出 任其意當寺令
除帳候 向後貴寺宗判可被成遣候 為
後日送一札仍而如件
石津町 光明寺
嘉永三戌年三月
圓満寺
書き下し文
宗旨送り一札
一藤野田村堤町播磨屋伊助忰伊太郎
右は浄土真宗貴寺門徒に紛れ無く之候 然るに
今般右伊太郎義 貴寺旦中同村文七方へ
養子に遣わし度く候旨願い出 其の意に任せ当寺
除帳せしめ候 向後貴寺宗判成し遣わさるべく候
後日の為に送り一札よって件の如し
石津町 光明寺
嘉永三戌年三月
圓満寺
解説
藤野田村内の人の移動に際して出された送り状です。
石津町光明寺の檀家野田村堤町の播磨屋伊助の息子
伊太郎が同じ野田村の拙寺(圓満寺)檀家の文七方へ養子に行く
際に出された書状です。
江戸時代は家の存続を非常に重要視していました。
そのため養子や養女によって家を存続させようとしたのです。
子沢山ゆえにそのようなことが可能になったのでしょう。
少子化社会の現代では難しいかもしれません。