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古文書
2026/02/15
往来手形㉓

原文

        宗旨往来
一摂州大坂近江屋七之助妹すまと申者
  代々浄土真宗拙寺旦那ニ紛無御座候尤切支丹
  轉ニ而茂無之候然ル處此度諸国巡拝ニ罷出
  度旨願出申候ニ付宗旨往来指出し申候
  御関所者勿論何国ニ而茂無滞御通し可被
  下候若行暮候節者止宿御指図可被下候
  尚相果候ハ  其御處之任御作法御取置
  可被下候宗旨者浄土真宗拙寺旦那相違
  無御座候宗旨往来一札仍而如件

   文政十年         摂州藤野田
     亥六月              圓満寺(切除あり)
        国々御関所
        寺社御役所

書き下し文

        宗旨往来
一摂州大坂近江屋七之助妹すまと申す者
  代々浄土真宗拙寺旦那に紛れ無く御座候 尤も切支丹
  轉にても無之候 然る處此度諸国巡拝に罷り出
  度旨願出申候に付 宗旨往来指出し申し候
  御関所は勿論何国にても滞り無く御通し下さる
  べく候 若し行暮候節は止宿御指下さるべく候
  尚相果候は  其の御處の御作法に任せ御取置
  下さるべく候 宗旨は浄土真宗拙寺旦那相違
  無く御座候 宗旨往来一札仍って件のごとし

   文政十年         摂州藤野田
     亥六月              圓満寺(切除あり)
        国々御関所
        寺社御役所

解説

 文政十(一八二七)年六月に近江屋七之助妹のすまが諸国巡拝するために出された宗旨往来手形である。
文面はこれまでの往来手形同様、関所の問題なき通行や死亡した場合その地で葬儀するよう要請している。
  圓満寺門徒であることも強調し間違いなく宗旨登録していることも記している。また、藤野田と名乗っているところも興味深い点である。この時代、全国的に藤野田という呼称が通用していたということである。
  圓満寺の下の部分が切除されている。この部分は宗印が捺印されていた部分である。無事に帰宅し圓満寺へこの手形を返却したのであろう。その証拠として切除されたと思われる。