掲示板記事詳細

古文書
2021/02/14
藤野田村記載宗門人別送り状（その⑥）

原文

　　　　宗旨寺送り一札
摂州豊嶋郡吹田村五兵衛娘宇野
當年弐十三才ニ罷成候　宗旨之義者代々
浄土真宗當院旦那ニ紛無御座候
御法度之切支丹轉之類族ニ而も
無之　然ル所今般同国西成郡
野田村百性市治郎方へ致縁附候
間　向後其寺旦那ニ御加入可被成候
為後鑑宗旨寺送り一札仍而如件
　　　　　　　　　　本御門跡一家
天保十四卯年　　　　　垂水村
　　　　二月　　　　　　　明誓寺
　　　　　　　藤野田村
　　　　　　　　圓満寺殿

書き下し文

　　　　宗旨寺送り一札
摂州豊嶋郡吹田村五兵衛娘うの
当年二十三才にまかり成り候、宗旨の義は代々
浄土真宗当院旦那に紛れなく御座候
御法度の切支丹轉の類族にても
これなく、　然る所今般同国西成郡
野田村百性市治郎方へ縁附致し候
間、向後其寺旦那に御加入成さるべく候
後鑑の為宗旨寺送り一札仍って件の如し　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　本御門跡一家
天保十四卯年　　　　　垂水村
　　　　二月　　　　　　　明誓寺
　　　　　　　藤野田村
　　　　　　　　圓満寺殿

解説

垂水村明誓寺檀家の吹田村五兵衛娘うのが拙寺檀家野田村市治郎へ嫁ぐ際に
出された送り状です。
拙寺には嫁入りに際し出された送り状が百通余あります。
北は越前（福井県）敦賀、西は安芸（広島県）にまで及んでいます。
しかし、ほとんどは大阪近辺の農村からの嫁入りです。
当時は交通の便等を考慮すると遠方からの婚姻は困難だったかもしれません。
なお、明誓寺は吹田市垂水町に現存する本願寺派寺院です。

戻る